規模の経済が存在する場合の政府の規制と経済成長の関係について

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タイトル別名
  • An Analysis of Effect of Industrial Regime on Economic Growth with Model of Endogenous Growth with Increasing to Scale
  • キボ ノ ケイザイ ガ ソンザイ スル バアイ ノ セイフ ノ キセイ ト ケイザイ セイチョウ ノ カンケイ ニ ツイテ

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抄録

経済成長においてアジア諸国のパフォーマンスが良好なのは知られていることである。本論文ではそれらの国々で行われている「開発独裁」と呼ばれる経済政策をマクロ経済成長理論の視点から分析することを主眼とする。マクロ的に「開発独裁」を考察するためには,自由な経済に対して政府が消費を抑え投資を増加させる合理的な理由が必要であり,その理由を経済に正の外部性が存在することに求めた。そのような関係を理論的に描写するために内生的な成長のエンジンとして生産について規模に関する収穫逓増を用い,そのような収穫逓増を用いたことによる「成長率の発散」という問題点を枯渇性資源の制約を用いて抑えるという形で「成長率の収斂」を満足させる意図を持った経済成長モデルを応用した。このモデルでは収穫逓増についてRomer(1986)等で採用された”Learning-by-doing”を用いており,生産要素の使用に対して正の外部性が存在する。この外部性を政府が内部化することで,自由経済に対する投資の増加に合理性を持たせている。この分析の結果として,外部性の内部化によって均衡成長率に変動はなかったが移行過程において経済成長率が上昇したこと,内部化の度合いに最適な点が存在することが示された。

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