電波へのばく露による児の精神神経発達への影響に関する最近の研究動向 : 文献調査
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説明
近年,電波ばく露環境は急速に変化していると考えられ,子どもの健康,特に精神神経発達への影響が懸念される.本研究の目的は,胎児期と出生後のばく露による子どもの精神神経発達への影響について先行研究を概観し,今後の研究の方向性を明らかにすることである.胎児期ばく露を扱った7編のうち3編で妊娠中の母の携帯電話使用状況と精神神経発達の間に負の関連が,1編で正の関連が報告されていた.出生後のばく露を扱った22編では,2編を除き,携帯電話使用状況または電波ばく露レベルと精神神経発達との負の関連が報告されていた.今後の研究では,携帯電話や電子機器の使用状況と電波ばく露による影響を独立に検討する必要がある.また,因果関係を考察するために適した前向き研究デザインを用いることが望ましい.さらに電波ばく露の背後にある交絡要因についても慎重に検討する必要がある.
収録刊行物
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- 北海道公衆衛生学雑誌
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北海道公衆衛生学雑誌 34 (2), 14-21, 2021-03
北海道公衆衛生学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050854718553168640
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- HANDLE
- 2115/84602
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- ISSN
- 09142630
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB