女性神職者「物忌」の実像をめぐって : 平安前期現出の 「物忌」 を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • About “Monoimi” as a Female Priest

この論文をさがす

抄録

物忌とは古代から中世にかけて神社や祭祀に奉仕した女性神職者であるが、柳田國男は鹿島社物忌の未婚で聖女として偶像化された姿に巫女の源像を見出した。義江明子は史料に基づいて鹿島社などの物忌の実像を探り、柳田の巫女聖女(御子神信仰)論に反証したが、物忌の全体像についての研究は十分といえず、その実像については明らかにされていない。史料を博捜したところ、『貞観儀式』および『延喜式』には天皇家と藤原氏家と所縁が深い神社と祭儀に奉仕する物忌の記事があり、これらの内容を吟味したところ、一部の物忌の奉仕には平安前期に摂政となり権力を掌握した藤原良房の関与が示唆されるものであった。以上より本稿は、物忌研究の到達を踏まえ、平安前期における政治社会と祭祀とのつながりから浮かび上がってくる物忌の実像を探り、巫女との関連を検証するものである。

巫女

女性神職者

物忌

祭儀

藤原良房

identifier:DB005000011146

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ