ハイエクとヒックスの新オーストリア資本理論

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タイトル別名
  • Hayek and Hicks on the Neo-Austrian Capital Theory
  • ハイエク ト ヒックス ノ シン オーストリア シホン リロン

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説明

この論文では,ハイエク(Friedrich von Hayek)とヒックス(John R. Hicks)の資本理論について比較し,検討する.ハイエクがオーストリア学派に属する経済学者であったことについては,周知のことであるが,ヒックスも資本理論研究の最後にオーストリア理論に,再び接近していた.ヒックスの資本と成長の理論をより良く理解するためには,ハイエクの資本理論との比較が何よりも重要である. ハイエクの資本理論および景気変動論は,両大戦間期の経済学界における議論の中心に位置づけられていたが,近年では,ほとんど顧みられることがなかった.しかし,ヒックスの新オーストリア資本理論の中には,ミーゼスの「人間行為理論」とともに,ハイエクの資本理論が参考にされていた. そこで本稿では,ヒックスの新オーストリア資本理論を発展させるために,ハイエクの理論との比較研究を行うことにする.それは単に,過去の経済学の歴史に関する関心によるだけではない.現代の資本主義経済の特徴をより良く理解するために,ハイエクとヒックスの資本理論の研究が不可欠なのである.まさに,「温故知新」の立場から,両者の資本理論を検討する.そして,このような学説史的研究が,現代の資本と革新を担う Human-Nature Capital 研究の出発点にもなることを願っている.

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