「働き方改革」に求められる「働きがい」の視点とその意義

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  • Lack of “Job Satisfaction” Aspect in “Work Style Reform”
  • 「 ハタラキカタ カイカク 」 ニ モトメラレル 「 ハタラキ ガ イ 」 ノ シテン ト ソノ イギ

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抄録

日本では,2018年に働き方改革関連法が成立したが,この「働き方の改革」は,労働時間の減少や賃金の上昇を目指す,いわば仕事の量的な部分を中心とした改革である。この改革は,「働きやすさ」の視点から見ると大きな価値を創造する可能性があるが,「働きがい」の視点からは不十分な面もあると考えられる。働く人々は,成長感,達成感,責任ある仕事しているという満足感,誇りなどの内発的報酬を得たいと考えており,仕事自体の楽しさを享受したいと望んでいる。しかし,「働きやすさ」 を目指す改革では,仕事を通じてこれらの内発的報酬の獲得や労働の質的向上は促進されにくい。 また,この「働きがい」は,近年,注目されている,社会における組織の存在価値を示す「パーパス」の設定や,深い楽しさを感じる活動を行っている時に得られる「フロー体験」を獲得できる仕事の設計,そして,ワーク・エンゲイジメントやwell-beingを獲得できる仕事や働き方の検討などをすることによって,従業員の仕事における活力や熱意を創出する可能性があり,そのことによって組織側への価値創造にもつながることが考えられる。

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