胃アニサキス症により出血性胃潰瘍を発症した 1例

抄録

症例は61歳の女性.アジを生食した3日後に胸やけと少量の血餅が混在した黒色嘔吐が出現し たため救急外来を受診した.緊急上部消化管内視鏡検査を施行したところ,胃内に活動性の出血は認 めなかったが,胃壁に刺入したアニサキス虫体と多発する小潰瘍を認めた.鉗子で虫体を摘出後,胃 内観察中に胃体中部大弯の小潰瘍から噴出性の出血を認め,クリップで止血処置を行った.Proton pump inhibitor(PPI)の投与を行い,その後ボノプラザン内服に変更し治療を継続した.ボノプラ ザン内服15日後には,潰瘍は改善がみられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ