「恐慌の運動論」と並ぶ「可能性,根拠」論の探求について : --恐慌論体系の「可能性,根拠,運動論」説批判--

書誌事項

タイトル別名
  • 「キョウコウ ノ ウンドウロン」 ト ナラブ 「カノウセイ, コンキョ」 ロン ノ タンキュウ ニツイテ : --キョウコウロン タイケイ ノ 「カノウセイ, コンキョ, ウンドウ ロン」 セツ ヒハン--
  • On Exploration of Possibilities and Grounds of Crises in Marx

この論文をさがす

抄録

マルクスの恐慌論は第二部の「最後の部分」に「予定」され,その「内容」は「(1)恐慌の可能性,(2)恐慌の根拠,(3)恐慌の運動論の全体を包括する」ものだったとの不破哲三氏の所説を検討した。「恐慌の可能性」については,「一層発展した可能性」の内容に関して,再生産論での「不均衡」は市場メカニズムで解消されるとの氏の把握によって,生産諸部門間の「均衡条件」や,蓄積基金と償却基金の積立・投下の均衡の問題が中身のないものになっている点を具体的に示し,過剰蓄積の問題の欠落は『経済学批判要綱』での蓄積分析の無視に起因することを明らかにした。「恐慌の根拠」については,「生産と消費との矛盾」を指摘した諸「定式」は各々の時点での「再生産論」を踏まえており,現行版でも一部は岐論として論述されている点を指摘し,第二部現行版註32によってその第3篇で「恐慌の運動論」を含む「恐慌論の総合的叙述」が「予定」されていたとの理解は成立しないことを主張した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ