新鮮胚ならびに凍結融解胚移植後妊娠における周産期短期アウトカムの後方視的研究

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  • A retrospective study of perinatal short-term outcomes in pregnancy after fresh and frozen-thawed embryo transfer

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凍結融解胚移植は新鮮胚移植に比較して癒着胎盤や分娩時異常出血のリスクが増えることが報告されている。当院で胚移植後に妊娠した症例の周産期短期アウトカムを新鮮胚移植と凍結融解胚移植に分けて検討した。2014年3月から2018年12月に当院で胚移植後に妊娠し当院で分娩した症例 (早産、多胎を除く) を対象に、後方視的に診療録から臨床情報を抽出した。統計解析はノンパラメトリック検討を用いた。症例数は新鮮胚移植群8例、凍結融解胚移植群 (全例ホルモン補充周期) 37例であった。分娩週数ならびに分娩方法に有意差を認めなかった。一方で、癒着胎盤や妊娠高血圧症候群を合併した症例は新鮮胚移植群では認められなかったものの、凍結融解胚移植群ではそれぞれ7例、11例であった。分娩時出血量について、癒着胎盤の症例で増加したことが一因となり凍結融解胚移植群 (中央値880mL) は新鮮胚移植群 (中央値450mL) より有意に多かった。児出生体重は初産婦に限定すると凍結融解胚移植群で新鮮胚移植群よりも大きかった。凍結融解胚移植を行った症例では周産期管理として妊娠高血圧症候群ならびに癒着胎盤による分娩時異常出血に注意する必要がある。

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