カメラと加速度センサを用いたデバイスペアリング方式の提案とその評価

説明

無線技術を用いたデバイスのペアリングを行う手法には,受信信号強度 (RSS : Received Signal Strength) を用いた手法がある.しかし,RSS は些細な環境の変化で大きく変化するため,安定した精度が得られない.一方で,赤外線カメラでデバイスを持つ人の手の動きを認識するペアリング手法がある.端末の移動は認識できるが,傾きを認識することができない課題がある.そこで本論文では,パーテーションや部屋区切りでデバイス同士の近接認証を行うことを想定したペアリング手法として,カメラで認識したデバイス上に表示したマーカーの動きのデータとデバイス自体から取得した加速度データの類似度をサーバで計算し,従来の認証精度を向上させたペアリング手法を提案する.また,提案した手法の実証実験としてカメラからデバイスを 1.5m と 2.0m 離し,丸の字と∞の字で動かした際の類似度を調べる実験と,カメラに映っていない第 3 者が不正にペアリングを行うことができるかどうかの実験を行なった.実験の結果,カメラからの距離が 1.5m,2.0m と離れれば,類似度にばらつきが出てくることが分かり,端末の動かし方によっても変化することがわかった.また,第 2 の実験では,平均的に見れば不正なペアリングが行われない類似度の閾値を設定できるが,類似度の標準偏差が大きくなり,今後は類似度の標準偏差を小さくするように改良を行う必要が出てきた.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ