広域大規模分散環境における音声情報の利用

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  • The utilization of voice information in WIDE

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抄録

分散処理に基づいた計算機環境を相互に接続することにより構築される広域大規模分散環境においては,利用者の位置に依存しないサービスを提供することが可能となる。たとえばWIDEプロジェクトでは,64Kbps以上のデータ回線とUNIXワークステーションによって構成されるWIDEインターネット上で広域大規模分散環境の実験を行なっており,WIDEインターネットの各ノードにおいて同一の作業環境を提供するための試みが続けられている。このように計算機利用者の行動範囲は,従来に比して大きく拡大されたが,実際には回線およびその回線を利用して実現されるマンマシンインターフェースの機能によって制限を受けている.しかし,計算機利用者の実際の活動に対する計算機環境の役割の拡大を考慮すると,柔軟なマンマシンインターフェースと多様な回線への対応によるサービス提供可能性の拡張に関する研究開発は急務であり,例えば音声は文字や図形とともに,利用価値の高いメディアとして期待されている。特に,従来文字が利用されていた計算機システムからのメッセージに音声による表現を追加することは,分散システム上での作業環境を考慮すると,非常に効果が高いと考えられる。そこで,WIDEプロジェクトでは計算機システムからのメッセージに限定して音声表現に関する実験を行なった。この実験において着目したのは,限られたりソース(ディスク,通信回線,音声合成装置の品質)の中で,いかにして音声の特徴を生かしたサービスを提供できるかという点である。さらに,音声は公衆電話回線で伝搬できるので,電話のタッチトーン(DTMF)信号を利用した入力系について検討を行ない,DTMF信号と音声を利用したshellであるPhoneshellを試作した。これにより,音声を活用した双方向のマンマシンインターフェースが実現し,さらに実際の運用を通じてその有効性を確認した。

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