大規模OSS開発における不具合修正時間の短縮化を目的としたバグトリアージ手法
抄録
本論文では,大規模 OSS 開発における不具合修正時間の短縮化を目的としたバグトリアージ手法を提案する.既存手法の多くは,不具合に対する開発者の適性のみを考慮するため,ごく一部の開発者に修正タスクが集中するという問題があった.既存手法に対し提案手法は,開発者の適性に加えて,開発者が一定期間内に修正作業に使える時間の上限を考慮している点に特徴がある.Mozilla Firefox および Eclipse Platform プロジェクトを対象としたケーススタディを行った結果,提案手法について以下の 3 つの効果を確認した.(1) 一部の開発者へタスクが集中するという問題を緩和できること.(2) プロジェクト全体としての不具合修正時間を,人手によるバグトリアージに比べて 50-83%,既存手法と比べて 34-38%削減できること.(3) 提案手法で用いた 2 つの設定,プリファレンス (開発者の適性) と上限 (開発者が取り組むことの出来る時間の上限) が,タスクの分散効果にそれぞれ同程度寄与すること.上記の知見に加え,本論文では,提案手法の適用範囲および妥当性について,追加の分析結果に基づき議論する.
収録刊行物
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- ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014論文集
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ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014論文集 2014 66-75, 2014-08-25
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050855522055697536
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- NII論文ID
- 170000084819
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1001/00102832/
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles