通信帯域に基づく状態分割を用いた 広域State Machine Replicationにおける状態転送手法

抄録

本研究では,通信帯域に基づく状態分割を用いた広域 State Machine Replication (SMR) における状態転送手法を提案する.SMR はサービスを複数のレプリカに複製することで耐障害性を向上させる仕組みであり,レプリカの追加・回復時にレプリカ間でサービスの状態を転送する.本手法では,転送する状態をチャンクの集合として扱う.受信レプリカは,各レプリカとの通信帯域に応じた数のチャンクを送信側に要求する.送信レプリカは,要求された数のチャンクを転送する.送信レプリカごとに通信帯域に差がある場合は要求する転送チャンク数を増減する.これにより既存手法で見られた,広域 SMR の不均一な通信帯域による性能低下を改善する.Amazon EC2 に構築した広域 SMR 上で実施した評価実験から,提案手法は Bessani らの手法に対して最大 42% の状態転送速度の向上がみられたが,条件によっては Bessani らの手法に比べて状態転送速度が低下することがあった.この転送速度低下に対して検証を行った結果,転送速度の低下が起こる場合,事前に計測を行った通信帯域と比べて実際の通信帯域が低くなっていることを確かめた.

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  • CRID
    1050855522064429952
  • NII論文ID
    170000184620
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00210785/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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