水産業の生産効率改善を目的とした海水温情報告知伝達システムの開発

Description

養殖漁業においては,現場周囲の海域における海水温情報が非常に重要である.水温を知ることで,魚病対策や,赤潮の発生予測を行うことができるからである.しかし,愛媛県では,調査船による定点調査や水温観測装置による測定で得られた水温データが,時間的・空間的に連続したデータとして不十分であるという問題があった.また,収集した水温情報を漁業従事者へ告知伝達する手段も確立できていなかった.そこで本研究では,多深度のセンサーネットワークシステムと本ネットワークシステム上で収集した水温情報を可視化するシステム(海水温情報告知伝達システム)を構築した.本告知伝達システムでは,Web ブラウザから,最新の水温情報や水温の時間変化を表,グラフ,および三次元温度分布図の形で見ることができる.漁業従事者は,本システムを利用して水温状況を把握することで効率的な漁業を行うことができるようになった.本システムに対するユニークアクセス数は毎日 300~700 件程度となっており,愛媛県宇和海の養殖漁業者数を踏まえると本システム実装が養殖漁業に与えた影響は大きいと言える.

Journal

Keywords

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top