複数クラウドを用いた大容量リアルタイム並列分散処理システムとその性能評価

抄録

計算機を所有することなく,利用したいときに利用したいだけ使うことのできるクラウドサービスが,一般企業を含む多くのユーザに活用されている.そのクラウドのメリットを最大限活かすために,我々は,複数のクラウド上の複数のVM を適応的に組み合わせることによって,完了時間にクリティカルな大容量計算を実行するためのフレームワークを提案している.そのフレームワークを実現可能かどうかを確認する目的で,フレームワークにもとづいた映像合成処理アプリケーションソフトウェアの実装を行った.汎用PC サーバおよび学術研究ネットワークを用いて,幕張と石川の 2 箇所に構築した模擬クラウド環境を使って実証実験を行い,144 の VM を並列計算させることによって秒44.1 映像フレームの合成処理ができることを実証した.さらに,このフレームワークを使ったシステムのスケーラビリティを確認するとともに,システム構築前の性能評価を可能にする手法の確立のため,シミュレーションプログラムを作成し,複数のクラウドを使った映像合成システムについて,その性能シミュレーション評価を行った.その結果,VM 数に応じてリニアに性能向上が図れることが確認された.一方で,シミュレーションによって導かれた性能絶対値については,実測値よりも約50%高い値となり,今回,シミュレーションで考慮に入れられなかったTCP のフロー制御やVM 選択のオーバーヘッドなどを考慮に入れる必要があることが判った.

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  • CRID
    1050855522065492864
  • NII論文ID
    170000181437
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00202347/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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