宇宙機関連異種テキストデータからの知識発見の試み

書誌事項

タイトル別名
  • Towards Knowledge Extraction from Heterogeneous Text Data Related to Space Systems

抄録

本稿では,設計過誤の再発防止を目的として,新たに開発を行う宇宙機設計の仕様情報のテキストデータ群に対して,過去に宇宙機において発生した不具合情報のテキストデータ群の中から強く相関するテキストの組合せを抽出する方法について検討する.宇宙航空研究開発機構(以下,JAXA)では,製品開発の過程で生じる多くのデータが文書等で記録されており,後続の製品開発へ有効に活かすことが期待されている.中でも製品の不具合情報は,製品開発数が限られ,開発ライフサイクルの長い宇宙機開発においては,過去の失敗経験の知識を後続の開発に活かすことができる重要なデータである.その一方で,事象・原因等が記述されている不具合情報は,対象とするシステムが人工衛星,ロケット等多様でありソフトウェアからハードウェアまで対象分野が広範であること,書き手の経験等により文書表現の揺らぎがあるといった特徴がある.また宇宙機設計の仕様情報は,比較的抽象度の高い情報であり,不具合情報に記述されている情報とは記述レベルや粒度等が異なる.このため,両者のマッチングは単純に行うことができない.そこで,本稿では,まず特定製品情報を記述した仕様情報のテキストデータと,不具合情報のテキストデータを組み合わせ,仕様情報にある製品の設計過誤につながる知識を,検索システムを通して発見することを試みた.検索の際,仕様情報に対して不具合情報が有用であったかの人の価値判断を,畳み込みニューラルネットで学習した結果,特定ドメインのデータに対し 50% の適合率で仕様情報に対して有用な不具合情報を引き当てることが出来た.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050855522065615232
  • NII論文ID
    170000150681
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00198975/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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