主幹電力時系列データからの家庭内行動推定手法

抄録

センシング技術の目覚ましい発展を背景に,家庭内にセンサを設置し居住者の家庭内行動を認識することで,みまもり,ヘルスケア,日常生活における異常行動検知,生活改善アドバイスなどのサービスが期待されている.しかし,家庭へのセンサー設置はプライバシ懸念のために社会的な受容度は高くなく,特にカメラなどは敬遠される傾向にある.安価な人感センサ等を宅内の各所に設置する手法も多くみられるものの,サービスの実運用においては複数センサの位置管理や死活監視など,設置やその後の運用にかるコストが無視できない.そこで本研究では,スマートメータ等から定期的に取得される家庭の総消費電力(主幹電力)データのみを用いて家庭内の大まかな行動パターンを推定する低コストかつ非侵襲な推定手法を提案する.スマートメータ等から得られる電力値は数十秒から 1 分間隔といった低粒度であり,かつ家電の待機電力や給湯器・温水洗浄便座といった宅内電気設備の消費電力の総量であるため,既存の家電推定手法が前提とする 1 秒未満間隔の高粒度電力値は利用できない.これに対し,提案手法は調理時間中や睡眠時間中にみられる主幹電力の大まかな増加や減少を特徴量とし,隠れマルコフモデルを用いた行動分類を行う.電力関連企業の協力のもと,実在する 5 世帯から得られた主幹電力値およびその真値を用いた実験を行うとともにアンケートで見守りサービでの情報の重要度を測り特に重要である睡眠,外出,調理において 75 %以上で分類できた.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050855522082712064
  • NII論文ID
    170000181410
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00202320/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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