複数VMによる並列分散システムのための動的な性能推定法の提案
説明
必要なときに,必要な台数のクラウド上の仮想計算機 (VM) を使って並列分散処理を行えるシステムは,映画制作におけるレンダリング処理やインシデント発生時のログ解析など,一時的に発生する大容量計算を行う必要のあるユーザからの要望が非常に高いシステムである.そのようなニーズに応えるため,複数の VM を動的に組み合わせて大容量計算を行うためのフレームワークを我々は提案している.しかし,VM は計算機やネットワークハードウェアリソースを自らを含む複数のユーザと共有しているため,得られる性能は共有しているユーザが発生する負荷に依存し,所望の性能を得るための VM 台数の正確な見積もりを難しくしている.特に,性能不足のために VM を追加しようとした場合に,追加した VM が現時点で他の VM が使用しているハードウェアを使用する可能性があり,それにより増設しても性能が事前の想定よりも向上しないという現象を引き起こす可能性がある.我々は,所望の性能を得るための VM 台数を正確に見積もる手法を確立するため,前述のフレームワークを用いて同じハードウェア上に VM を追加し,同時に計算処理を実行した際にどのように性能が低下するかを実験により確認した.その実験結果にもとづいて,次に追加する VM の性能を推定し,さらに,VM を追加後のシステム性能を推定する方法,および推定結果にもとづく VM 増設法について検討を行った.本論文では,上記の実験結果を示すとともに,その結果にもとづいた VM およびシステム全体の性能推定方法を提案し,我々が提案する推定結果を使った VM 増設法について説明する.
収録刊行物
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- 第26回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
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第26回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集 80-89, 2018-10-31
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050855522083036416
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- NII論文ID
- 170000178431
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1001/00191832/
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles