教育用エキスパートシステムEESについて

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  • Educational Expert System - EES -

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抄録

ここで述べる教育用エキスパートシステム(Educational Ex-pert System)EESとはSCHOLAR,S0PHIE,GUID0NなどICAIと呼ばれているシステムとMYCINなどのエキスパートシステム(以下ESと略記)を教育目的で用いる場合と、ESシェル、ツール、そして言語を用いて教育目的でESをつくる場合を含めた幾分広い範囲での教育目的のESを指している。EESを考える背景はパーソナルコンピュータの教育分野への普及、及び、CAIの導入が今後本格化すると予想される事、その普及に伴って、CAIの質が問われるであろう事である。現状のCAIの機能は学習者の状態に応じた教育をするという点を捉えてみても不十分であり、人工知能(AI)技術の適用は必須であると考えられる。一方、ESについては、低価格の言語やツールの普及により、開発実験も可能となってきた。このような状況のもとでESの機能(曖昧さの処理、説明機能などを含む)をCAIに組み込む事や、ESシェル上にCAIをつくる事を考えるのは自然な発想であろう。一方、ICAIの定義と目標は、以下の(3+1)要素をもつというものである。それは、(1)教授すべき知識(2)学生モデル(3)教授戦略(4)自然言語などの柔軟なインタフェース、である。しかしこの定義では、すでに現在の状況を表現し定義するには、適当と言えない面もある。この定義のなされた後のESとAIの最近の成果を含めるべきであろう。EESの特徴はESの機能を教育用に発展させる事により、質の向上した教育システムや発想の異なる新しいESが作れる事である。EESの開発に関しては、サンプルシステムの作成と検討の後、現在、システムの機能の構想段階である。本報告では、サンプルシステムの検討結果とEESで期待できる教育効果、EESの機能と構成する要素について述べる。またシステムの内容と規模により、小システム、中システム、大システムに分けるのが現実的であると考えているが、そのうち検討が進んでいる大システムの構想について述べる。

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