分散計算システムにおける漸次縮退の一方式
書誌事項
- タイトル別名
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- A Method of Graceful Degradation in Distributed Systems
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説明
ある種の大規模計算を実行するには、多数の計算機要素間を通信線要素で規則的に接続した大規模な分散計算システムが有効である。分散計算システムの性能を向上させるために構成要素数の増加が望まれることがしばしばあるが、要素数の増大に伴ってシステム内に故障が生じる可能性は高まる。その結果、システムに障害が生じ、計算に支障を来たす可能性が高まるという問題が生じる。このような障害を回避するために必要なフォールトトレランスの一形態として、システムの構成要素に故障が生じた場合、要素数の減少によるある程度の機能縮小または品質低下があっても、部分的なサービスを提供し続ける漸次縮退(graceful degradation)が、分散計算システムにとってコストパフォーマンスの点で優れている。特に、計算システムとしての実用性を重視する場合、システムの構成要素が失われた際、システムの機能の縮小を行なわず残された正常な要素数に応じたある水準の性能を発揮しつつ、実行中の計算を正しく続行するような漸次縮退特性が望ましい。一般に、分散計算システムに漸次縮退機能を付加するにはコストがかかるので、故障が全く発生していない状態では、漸次縮退システムは漸次縮退導入前のシステムと比較して性能が劣る。ここでは、多次元メッシュ状アプリケーションを多次元メッシュ状アプリケーションを多次元トーラス状分散計算システム上で実行する場合に限定して、無故障時の性能のオーバーヘッドが極めて小さく故障時の性能の低下が比較的小さい漸次縮退システムの実現法の一方式を提案し、この方式の有効性を実験により確かめる。
収録刊行物
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- 全国大会講演論文集
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全国大会講演論文集 第46回 (ハードウェア), 17-18, 1993-03-01
情報処理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050855522105583104
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- NII書誌ID
- AN00349328
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB