新型コロナウイルス感染拡大期における雇用と労働

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  • Employment and labor during the spread of COVID-19 infection

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抄録

新型コロナウイルスの感染拡大は、我が国の経済活動を停滞させ、雇用と労働に多大な影響を及ぼしている。政府が発した外出自粛や休業要請は、経済社会にどのような影響を与えたのだろうか。労働力人口の分析を通して雇用構造の変化から、特に非正規雇用の脆弱性が明らかになった。稼働年齢層の生活保護受給者の増加傾向も現れ始めている。これに対照的なのは、解雇が進む中での正規雇用の増加である。非正規雇用の解雇が増える中で、正規雇用は3月の3,506万人から6月の3,561万人へと55万人増加していたのだった。コロナ禍でも増え続ける正規雇用は、高止まりする休業者である。求人倍率の回復しない状況において、休業者は失業率に反映されない潜在的な失業者である。これが、緊急事態宣言下の休業要請期間中に労働力人口が膨らんだ理由であった。その後、完全失業者が増加しても雇用保険受給者が減少する事態も起きている。上記のように、本稿は新型コロナウイルス感染拡大期における雇用と労働について考察したものである。

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