東アジアのなかの中世日本の貨幣―成果と論点

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タイトル別名
  • Japanese Medieval Currency in East Asia: The Achievements and Issues of the Research
  • ヒガシアジア ノ ナカ ノ チュウセイ ニホン ノ カヘイ : セイカ ト ロンテン

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抄録

本稿は、近年厖大な研究成果が蓄積されてきた中世日本の貨幣流通史の概要を叙述したものである。主に中国から流入した銭貨を貨幣として受容した中世日本では、15世紀にかけて銭貨が大量に流入し、国家的な主導を経ずに安定的な貨幣流通秩序が形成された。しかし15世紀後半に中国が銭貨の鋳造を放棄したため日本への流入が減少し、16世紀に混乱が生じた。同時期に日本で石見銀山の開発が進み、1560年代には日本でも銀を貨幣として用いるようになった一方、各地で深刻な銭不足に見舞われ、秩序も混乱が続いた。統一政権誕生後は列島規模での秩序の再編成が必須の課題となり、17世紀前半にかけて江戸幕府は自らその整備を進めていった。当該研究では論者によって見解が分かれている論点があり、本稿ではそれらについていくつか指摘して今後の課題を示した。

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