日向神話教材化の試み ―宮崎県小学校向け「海幸山幸伝説」テキスト作成について―

抄録

小学校学習指導要領国語科における「神話」に関する指導事項や改訂教科書を検討の結果、宮崎県独自の神話教材として海幸山幸伝説が相応しいとの結論を得たが、引き続き教材条件に照らし合わせて検討した。その結果、神名について『古事記』『日本書紀』で相違がみられることや、小学校第2学年であることを考えると神名が長すぎることが明らかになり、そこで諸条件に鑑みて「海さち・山さち」が適当であるとの結論に至った。また概略を17の文で述べることで教材範囲を決定した後、物語の山場が、通常の物語教材のように中心人物の成長・変化の瞬間ではなく、他者からの言動によって中心人物の位置付けが変わる瞬間であることが判明した。教材の道徳性への配慮については、海幸の扱いについて注意を要する点を指摘した。また、学習活動については、通常考えられる活動に加えて「地域の特性」を取り入れる工夫を示した。

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