ゲノミック評価と産肉性および枝肉成績との関係

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タイトル別名
  • Relationship between genomic breeding value and meat production and carcass performance in Japanese black steers
  • ゲノミック ヒョウカ ト サンニクセイ オヨビ エダニク セイセキ ト ノ カンケイ

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説明

黒毛和種去勢牛8頭を用いて、子牛の育成段階でゲノム育種価評価(以下、ゲノミック評価)を行い、発育や枝肉成績とゲノミック評価結果と比較し、その精度を検証した。試験区は枝肉重量のゲノミック評価値が高い区(高評価区)と低い区(低評価区)を設定した。試験期間は生後9~28カ月齢の19カ月間とし、飼料は同一のものを給与した。その結果、飼料摂取量は肥育前期の粗飼料および後期の濃厚飼料で高評価区が高かった(P<0.01)。1kg増体に要した飼料量および日増加額に有意な差は認められなかったが、高評価区で良好であった。体重は試験開始時から高評価区が高く(P<0.05)、試験終了時には差が123kgあった(P<0.01)。また、試験期間を通した日増体量は高評価区で高く(P<0.01)、枝肉格付成績の平均値では、高評価区の枝肉重量が高い(P<0.01)結果であった。育成時のゲノミック評価値と枝肉格付成績の関係を調査した結果、ゲノミック評価値と枝肉格付成績にいずれも相関関係(枝肉重量R=0.84、BMS No. R=0.88、胸最長筋面積R=0.89、ばらの厚さR=0.69、皮下脂肪の厚さR=0.81、歩留基準値R=0.65)が認められた。以上の結果から、ゲノミック評価で枝肉重量の評価が高い個体は発育がよく、ゲノミック評価値から枝肉成績の予測が可能であり、群編成や効率的な出荷管理に活用できることが明らかになった。

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