福岡湾におけるタチウオの成長と成熟

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  • フクオカワン ニ オケル タチウオ ノ セイチョウ ト セイジュク

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抄録

福岡湾におけるタチウオTrichiurus japonicusの生活史を解明するため,成長と成熟に関する調査,解析を行った。肛門前長組成の月別推移より,10月前後に当歳魚と見られる小型個体が出現し,翌年の9~10月まで絵湾内で大きくなり,10~11月には湾内の調査では採捕されなくなった。また,生殖腺指数の月別推移より,産卵期は6~9月と推定された。耳石の輪紋から標本魚の年齢査定を行い,雌雄別にVon Bertalanffyの成長式を求めたところ,雄:Lt=343.5(1-1-e -0.647(t+0.5)),雌:Lt=416.3(1-1-e -0.345(t+1.2))となった。また,肛門前長組成の推移から福岡湾で発生・生育したタチウオとみられる個体の一部で,発達した生殖腺を持っていた。このことから福岡湾で発生・生育したタチウオの一部は翌年の再生産に関わっていることが示唆された。

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