バレイショ「さんじゅう丸」の秋作普通栽培における出芽安定技術

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タイトル別名
  • Germination stable technology of a potato variety 'Sanjumaru' in fall cropping
  • バレイショ 「 サンジュウマル 」 ノ アキサク フツウ サイバイ ニ オケル シュツガ アンテイ ギジュツ

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抄録

バレイショ品種「さんじゅう丸」は,秋作普通栽培において,植付け後に一部の種いもが出芽せずに欠株となる問題点がある。「さんじゅう丸」の種いもは,植付け時期になっても休眠が明けないことがあり,それを植付けることが欠株の原因の1つとなっていると推察されたため,休眠明けを促進する貯蔵温度および期間について検討し,さらに各種貯蔵後に植え付けた場合の生育・収量特性について検討した。その結果,種いもの貯蔵温度は,7月は4℃~常温の範囲とし,8月に22℃で管理すると,休眠明け,出芽および収量性が安定することが明らかとなった。欠株が生じるのは,種いもの切断後の貯蔵中や植付け後に種いもが腐敗することにも起因していると推察されたため,種いも切断面のケイ酸資材粉衣処理,種いも切断後の22℃貯蔵および植付け後の灌水処理について検討した。その結果,ケイ酸資材粉衣処理することにより,切断後の貯蔵中の腐敗を抑制でき,さらに22℃で貯蔵することで消耗も抑制でき,ケイ酸資材粉衣処理した種いもを植付けると,欠株および種いもの腐敗が減少する。また,植付け後に圃場容水量が60%を下回った日に2t/aを灌水することで地温が低下し,欠株および種いもの腐敗が減少し,出芽期も前進化できる。特に,ケイ酸資材粉衣処理と灌水処理を併用することにより,欠株および種いもの腐敗が減少し,収量性が向上する。

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