キウイフルーツ雄品種「さぬき花粉力」の育成と交配特性

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タイトル別名
  • Breeding and cross compatibility of a new male kiwifruit cultivar 'Sanuki Kafunriki'
  • キウイフルーツ ユウ ヒンシュ 「 サ ヌキ カフンリョク 」 ノ イクセイ ト コウハイ トクセイ

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抄録

1.「さぬき花粉力」は,香川県農業試験場府中果樹研究所保存の「魁蜜(アップル)」を種子親に用い,「孫悟空」の花粉を交配して育成した雄品種である。2017年6月23日に種苗法に基づき,第26025号として品種登録された。2.倍数性は四倍体であり,樹勢はやや弱い。がく片裂開初期の蕾のアントシアン着色は強い。花の直径は中,花弁の枚数は極めて多い。1新梢あたりの花穂の着生数は多く,1花穂中の花蕾数も多い。花梗は極めて長く,花穂の形が散開するため,花蕾が効率的に採取できる。花粉量は「トムリ」に比べて少ないが,「孫悟空」より多く,開花期の早いActinidia chinensis雄系統の中では特に多い。3.育成地(香川県坂出市)における発芽期は3月下旬,開花期は5月上旬であり,いずれも対照品種である「孫悟空」や「トムリ」より早い。「レインボーレッド」等の極めて開花が早い二倍体品種には適合しないが,「香川UP-キ1~5号」や「香粋」,それ以降に開花する「さぬきゴールド」および「香緑」等の受粉樹として利用できる。4.倍数性の異なるキウイフルーツ品種との交配特性を調査した結果,慣行の「マツア」とほぼ同等の結実が得られ,雌品種の倍数性により果実重がやや増減するものの果実品質には大きな影響を与えないことから,経済栽培される一般的な品種・系統の受粉に適用可能と考えられた。

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