夏季の七尾湾西湾における地下水流出が底層水中の栄養塩濃度に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of submarine groundwater discharge on nutrient concentrations in the western part of Nanao Bay in summer
  • カキ ノ ナナオワン ニシワン ニ オケル チカ ミズリュウシュツ ガ テイソウ スイチュウ ノ エイヨウエン ノウド ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

近年,陸域における地下水が海底湧水として沿岸海域に多くの栄養塩類を供給していることが報告されており,沿岸海域の物質循環研究においても,地下水が及ぼす影響を明らかにする必要がある。本研究では,地下水トレーサーである222Rn濃度を用いて七尾湾西湾における地下水湧出の実態を評価し、底層水中の栄養塩環境に及ぼす影響を検討した。222Rn濃度は浅海域で高い傾向にあった。溶存無機態窒素(DIN)およびリン(DIP)濃度も全体的に浅海域で高い傾向にあったが、222Rnとは明瞭な関係は認められなかった。DINおよびDIP濃度は溶存酸素(DO)濃度と明瞭な関係が認められ、再生産DINとDIPが主な起源であると推察された。しかしながら、地下水からの栄養塩供給の影響は無視できず、地下水湧出によるDIP供給は底泥からのDIP溶出とともに底層水中のDIP濃度を上昇させる働きをする一方,DIN供給は脱窒による底層水中の窒素除去を軽減させる働きがあることが示唆された。

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 78 (2), 114-119, 2014-05

    東京 : 水産海洋学会

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