女性取締役と財務業績との関係 ─日本企業の実証分析─

書誌事項

タイトル別名
  • ジョセイ トリシマリヤク ト ザイム ギョウセキ ト ノ カンケイ : ニホン キギョウ ノ ジッショウ ブンセキ
  • The relationship between female directors and financial performance —An empirical study on Japanese firms—

この論文をさがす

抄録

application/pdf

text

少子高齢化が急速に進む日本においては、多くの企業はワーク・ライフ・バランス施策や女性の活躍を促進する取り組みを行っている。その中で、女性取締役を採用する企業が増えている。このように女性取締役を採用し、取締役会の多様性(ダイバーシティ)を高めることは、取締役会が利用可能な情報や経験が増すことから、財務業績にプラスの影響があると考えられているが、それを実証する研究成果はほとんどない。  本研究は、日本企業を対象として女性取締役と財務業績との関係を実証的に明らかにすることを目的とする。そのため、東証1 部上場企業から200社を無作為に選び、女性取締役数と財務業績の間での相関関係と因果関係の解明を試みた。  本研究の結果、女性取締役の取締役会に占める割合(女性取締役比率)は、財務業績の指標であるROE、ROA及びトービンのQとは正の相関関係があった。また、女性取締役のうち社内採用と他社の経営経験がある女性取締役の存在がトービンのQとは正の相関関係があった。更に女性取締役と財務業績との因果関係を分析するため、2015年から2020年までのパネルデータを用いて1年のタイムラグをもつデータ間の相関関係を分析したところ、財務業績は、その1年後の女性取締役の増とは正の相関があることが明らかとなり、財務業績が向上した企業が女性取締役を増やした可能性が高いと結論付けた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ