フランスにおける子どもの貧困対策

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タイトル別名
  • Child anti-poverty policy in France.

抄録

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フランスでは2000年代以降,子どもの貧困に関する議論や対応策がとられるようになった。本稿は,フランスにおける子どもの貧困の実態とその対応策の特徴を,貧困の実態把握や反貧困計画を検討することを通じて明らかにした。子どもの貧困把握は,貧困問題に関する議論の進展とともに,所得の欠如という「貧困世帯に暮らす子ども」という視点から,貧困世帯に属するかにかかわらず,住宅,教育,キャリア形成,余暇・スポーツ・文化活動などを通じた人とのつながりや社会参画など,子どもの発達環境や子ども自身のニーズに着目した視点へと広がりをみせている。マクロン政権で実施されている貧困対策は,「能力社会」を基盤にした社会的投資という理念のもと,当事者参画,地域資源の活用を組み込んだ体制をとり,また実践内容としては,子どもの基本的人権の保障,特別なニーズをもつ子どもへの対応,保護者支援も含む子育ての社会化といった点に特徴がある。

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