一九八〇年代の野田秀樹と『石舞台星七変化』三部作

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  • イチキュウハチ〇ネンダイ ノ ノダ ヒデキ ト 『 イシ ブタイセイ シチヘンゲ 』 サンブサク

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抄録

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一九七六年、野田秀樹ら東京大学演劇研究会のメンバーを中心に結成された劇団「夢の遊眠社」は右肩上がりで観客動員数を増加させ、一九八〇年代の「小劇場ブーム」を牽引する存在として目されるようになった。「小劇場ブーム」全盛期の一九八〇年代後半には、「夢の遊眠社」や「第三舞台」などの人気劇団が一演目につき数万人規模の観客を動員することとなる。当時の「夢の遊眠社」の舞台は、言葉遊びと引用に満ちた膨大な情報量の台詞が、聞きとれぬほどのハイスピードで紡がれるもので、同時代の批評家たちはそれを説明するために「表層」あるいは「速度」などの言葉を見出した。しかし、演劇研究の文脈においては、政治的題材を手掛け始めた一九八九年以降の野田作品に関する分析はそれなりにあるものの、一九八〇年代の野田作品が分析の対象となることは稀である。

収録刊行物

  • 文芸研究

    文芸研究 140 31-53, 2020-02-28

    明治大学文芸研究会

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