胃穿孔を契機に発見された胃癌に対する治療成績の検討

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  • Treatment outcome of gastric cancer detected by gastric perforation

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抄録

胃癌穿孔は比較的稀な疾患ではあるが,胃穿孔症例の30%を占めるため,胃穿孔に対する治療は癌の存在に留意して行う必要がある.当院では,胃穿孔に対する初回手術は鏡視下に閉鎖術のみを行い,術後に胃癌と診断した場合は二期的切除手術を含めた集学的治療を行うことを基本としている.当院での胃癌穿孔症例4 例について,治療成績を検討した.症例は68歳~92歳で,全例が胃穿孔に対して閉鎖手術を行った後,術後精査で胃癌と診断した. 2例は高齢でPS(Performance Status)不良であったことからBSC(Best Supportive Care)の方針となり, 1 ヶ月, 6 ヶ月で死亡した. 2 例は閉鎖術後精査でcStageⅠ,cStageⅢの胃癌穿孔と診断し,二期的胃切除術と周術期化学療法を行った.術後経過は良好で,二期手術後1 ヶ月,29ヶ月で無再発生存中である.胃穿孔症例に対しては術中術後の胃癌精査が重要であり,二期的切除を含めた集学的治療によって良好な予後が得られる可能性がある.

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