「気になる子ども」を支援する力を育てる(Ⅰ) ―「障害児保育」における学生への試み―

書誌事項

タイトル別名
  • Developing the Skills of Supporting “Children of Concern(気になる子)”I ―Trials for Students in “Child Care for Disabled Children”―
  • 「気になる子ども」を支援する力を育てる(1)「障害児保育」における学生への試み
  • 「 キ ニ ナル コドモ 」 オ シエン スル チカラ オ ソダテル(1)「 ショウガイジ ホイク 」 ニ オケル ガクセイ エ ノ ココロミ

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説明

「気になる子ども」が増加しており、特に就学前の幼児期の支援は子どものその後を作る基礎となる時期 である。しかし支援者側の困り感は様々な法律が制定されたり、研修が行われていたりするにもかかわらず 解決に至っていない。特に支援する側の「困り感」が支援に影響するのではないかと考えられるエピソード が多く、支援者の「困り感」に関する報告を行ってきた。2年間にわたり関わった障害のある女性とのエピ ソードからは支援者への支援の必要性について報告した。(矢野・安東2021c)2021・2022年度のアンケ ート調査においても、実習における学生の「気になる子ども」への困り感は大差がないことが明らかになっ た。そこで従来行っていた理論的な学びだけでは不十分であることが推察され、少しでも現場において支援 するための基礎的な力をつけるために「気になる子ども」への個別の指導計画を作成して、実際の現場にお いて対応できる基礎力を養成することを試みてみたいと考えた。そこで、今年度「障害児保育」の授業にお いて、「個別指導計画の作成」を授業の取り入れてその後学生へのアンケート調査を行った。その結果、① 学生はまだ「気になる子ども」の姿を想像することが難しいこと。②「気になる子ども」への指導計画の書 き方やポイントを学ぶことは、具体的な支援の基礎力となる可能性がある。という2点が明らかになった。 そのため関連する授業などにおいては、DVD の視聴なども取り入れ子どもの言動の意味について考察する 機会を多く持つ内容を工夫することや、実習終了後の学生のエピソード記録などから、より具体的な状況把 握や観察のポイントなどを提示していきながら、個別の子どもに応じた具体的な支援方法についてアイデア が出るような力をつけていくことが重要であることや、今後より使いやすい支援計画や指導計画のフォーム の作成や、記録の基礎的な力を養成することも重要であることが明らかになった。今後卒業後の現場におい てその効果についての検証がさらに必要であることを示唆した。

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