ゲノム編集技術による遺伝子改変家畜の作出
書誌事項
- タイトル別名
-
- Gene editing-mediated production of genetically modified livestock
- ゲノム ヘンシュウ ギジュツ ニ ヨル イデンシ カイヘン カチク ノ サクシュツ
この論文をさがす
説明
CRISPR/Cas9システムをはじめとするゲノム編集技術の登場により,生物が持つゲノム配列の任意の箇所を高効率に改変することが可能となった。細胞や胚での遺伝子改変が格段に容易になったことで,マウスやラットなどのげっ歯類実験動物からブタやウシ,ヒツジ,ヤギなどの家畜も含めた幅広い動物種で遺伝子ノックアウト・ノックイン個体の作出に要した労力と時間が大幅に削減された。ゲノム編集は,小型げっ歯類実験動物では遺伝子の司る機能,病態への関連などを解明するために多く用いられ,今や必須のツールである。一方家畜では,産業面で有用な形質の付与および,先端的な医療技術のヒトヘの橋渡し,ならびに前臨床研究を推し進めるための医用モデル作出が加速している。本稿では,ゲノム編集技術による遺伝子改変個体の作出報告を基に,家畜におけるゲノム編集の現況を概説する。
収録刊行物
-
- Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌
-
Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 39 (1), 17-26, 2022-05
東京 : 日本卵子学会