麦類における播種時期と気温の違いが生育・収量性に及ぼす影響について

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タイトル別名
  • Effect of sowing date and temperature on growth and yield of wheat
  • ムギルイ ニ オケル ハシュ ジキ ト キオン ノ チガイ ガ セイイク ・ シュウリョウセイ ニ オヨボス エイキョウ ニ ツイテ

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抄録

香川県の奨励品種である裸麦「イチバンボシ」,小麦「さぬきの夢2009」の播種時期別作況試験をもとに生育反応および収量性について検討した。1. 主稈葉数は「イチバンボシ」,「さぬきの夢2009」ともに積算気温と正の相関関係があり,播種時期が早いほど,また寒冬年より暖冬年で増加速度が速く,最終の葉数も多くなった。播種時期別の最終の主稈葉数の変動は播性の高い「イチバンボシ」で大きかった。2. 穂数は「イチバンボシ」,「さぬきの夢2009」ともに播種時期が遅くなるほど少なくなった。また寒冬年は暖冬年より少なくなった。特に寒冬年には「イチバンボシ」で11月下旬播き以降で穂数が著しく少なかった。3. 収量(精玄麦重)は穂数と同じ傾向を示し,「イチバンボシ」で11月下旬播き以降,「さぬきの夢2009」で12月上旬播き以降で著しく低下した。4. 生育ステージの移行には気温が深く関係している。播種期~幼穂形成始期までの積算気温は,その期間の日平均気温の期間平均値と相関が強く,気温が低いほど積算気温が小さくなった。幼穂形成始期~出穂期の日平均気温の期間平均値は,その期間の日数と相関が強く,気温が高いほど日数は短くなった。出穂期~成熟期の日数(登熟日数)は出穂期,あるいはその期間の日平均気温の期間平均値と相関が強かった。出穂期が早いほど,気温が低く,登熟日数は長くなった。

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