長野県内の下水処理施設の下水流入水における下痢症ウイルス遺伝子の検出と年変化

書誌事項

タイトル別名
  • Survey and annual variations of gastroenteritis virus genes in a wastewater treatment plant in Nagano Prefecture
  • ナガノ ケンナイ ノ ゲスイ ショリ シセツ ノ ゲスイリュウ ジュスイ ニ オケル ゲリショウ ウイルス イデンシ ノ ケンシュツ ト ネンヘンカ

この論文をさがす

抄録

下痢症ウイルスの1つであるノロウイルス(以下,NoV)の流行実態を正確に把握し,下痢症ウイルスの感染予防対策の一助とすることを目的に,2014年12月から2019年3月まで長野市内A下水終末処理場に流入した下水流入水(以下,下水)中の下痢症ウイルスのコピー数を月1回モニタリングし,その結果を集計,解析した。52検体中NoV GI(以下,GI)またはNoV GII(以下,GII)遺伝子が検出されたのは46検体(88.5%)で,GIおよびGIIともに定量下限値未満だったのは2016年8月~10月,2017年6月,8月,9月の6検体であった。遺伝子群別では,GIは52検体中33検体(63.5%)から検出された。GIコピー数は平均1.65×102コピー/mLであった。GIIは52検体中45検体(86.5%)から検出され,GIIコピー数は平均1.34×103コピー/mLであった。サポウイルスは,定量下限値未満であった2016年10月を除くすべての月で検出され,陽性率は98.1%(52検体中51検体)であった。アストロウイルスは,定量下限値未満であった2015年3月,2016年10月,11月を除くすべての月で検出され,陽性率は94.2%(52検体中49検体)であった。A群ロタウイルス(以下,RoV)は52検体中28検体から検出され,陽性率は53.8%であった。患者届出数の毎年6月頃の小ピークはRoVによる患者の増加に起因しているものと考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ