長野県北東部における特定外来生物アカボシゴマダラ(タテハチョウ科)の生息確認

書誌事項

タイトル別名
  • An invasive alien species Hestina assimilis assimilis (Nymphalidae), recorded in the northeastern part of Nagano Prefecture
  • ナガノケン ホクトウブ ニ オケル トクテイ ガイライ セイブツ アカボシゴマダラ(タテハチョウカ)ノ セイソク カクニン

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抄録

特定外来生物アカボシゴマダラの生息確認のため,2020年に長野県北東部の34か所の小高い山頂部で本種の観察および捕獲を行った。本種は,長野県内では2014年8月に初めて軽井沢町離山で夏型の生息が確認され,それ以後,2015年に佐久穂町,2017年に小諸市で確認されたほかは県北東部には生息が知られていなかったが,本調査により須坂市,長野市,千曲市,坂城町,上田市,東御市,小諸市,佐久市,軽井沢町の計26か所で生息が確認された。捕獲個体の構成は,軽井沢町離山で,春型雄11個体,夏型雄68個体,夏型雌1個体の計80個体,それ以外の地点では春型雄5個体,夏型雄96個体,夏型雌1個体の計102個体の全182個体の成虫であった。また,上田市では幼虫1個体が確認された。2014年から継続観察を行った軽井沢町離山では,捕獲個体数が夏型4個体のみ(2014年)から,31個体(2015年),80個体(2020年)へと増加していた。これらの結果から,アカボシゴマダラは県内でも少なくとも春以降に世代交代により増殖し,6年間で県北部へと分布拡大していること,山頂部で占有行動をとる雄に注目した定点観察は本種の分布拡大モニタリングに有効であることが明らかとなった。

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