尾瀬ヶ原の池溏における枝角類とその季節変化

書誌事項

タイトル別名
  • Cladocera and their seasonal changes in the pools of the Ozegahara mire
  • オゼガハラ ノ チトウ ニ オケル シカクルイ ト ソノ キセツ ヘンカ

この論文をさがす

抄録

尾瀬ヶ原上田代の4池溏において2018年と2019年に枝角類の調査を行った。その結果8属8種の枝角類が確認され,Diaphanosoma brachyurumがどの池溏でも個体群密度が高かった。池溏間における出現種は類似性が高く,融雪洪水による枝角類の休眠卵拡散の可能性が示唆された。一方,枝角類の出現時期や個体群密度は池溏による差や年変動が大きく,尾瀬ヶ原の池溏は多様な環境を保持しつつも安定しない環境であることも示唆された。洪水で魚類が侵入したと思われる池溏の中には極端に動物プランクトンの個体群密度が低い池溏がみられた。枝角類にとっては魚類の池溏への侵入は,枝角類に壊滅的な影響を与えている可能性が推察された。

収録刊行物

  • 陸水學雜誌

    陸水學雜誌 82 (3), 203-217, 2021-09

    松本 : 日本陸水学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ