カラー新品種「はにかみ」・「ミルキームーン」・「キビタンイエロー」の育成

書誌事項

タイトル別名
  • Breeding of new calla lilies cultivars “Hanikami”, “Milky Moon” and “Kibitan Yellow”
  • カラー シン ヒンシュ 「 ハニカミ 」 ・ 「 ミルキームーン 」 ・ 「 キビタンイエロー 」 ノ イクセイ

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抄録

(1)福島県農業総合センターでは、2004年(平成16年度)からカラーの育種に着手し、2018年に「はにかみ」、「ミルキームーン」、「キビタンイエロー」の育成を完了した。(2)「はにかみ」は畑地性カラー「レーマニーカーミネア」を子房親、「ホワイトゼム」を花粉親として交配して育成された品種である。「はにかみ」の仏炎苞は白色で縁に桃色が入る。仏炎苞の形状はラッパ型で開きはやや浅い。切り花長は約50~70cmであり、花立ち数は球根100g当たり2.1~3.7本である。球根肥大率は標準品種「ブラックアイドビューティー」と同等であり、母球が肥大しやすい傾向が見られ、球根の再利用が可能である。(3)「ミルキームーン」は畑地性カラー「ホワイトゼム」を子房親、「ベストゴールド」を花粉親として交配して育成された品種である。「ミルキームーン」の仏炎苞はクリーム色で、内側基部に目が入る。仏炎苞の形状はロート型で大きく開く。切り花長は約55~65cmであり、花立ち数は球根100gあたり1.2~2.7本である。球根肥大率、球根増殖率は標準品種「ブラックアイドビューティー」より劣るが、母球が肥大し更に子球が発生するため、球根の再利用が可能である。(4)「キビタンイエロー」は畑地性カラー「ブラックマジック」を子房親、「ベストゴールド」を花粉親として交配して育成された品種である。「キビタンイエロー」の仏炎苞は黄色で仏炎苞の内側基部に目が入る。仏炎苞の形状はロート型で大きく開く。切り花長は約65~75cmであり、花立ち数は球根100g当たり0.8~2.8本である。球根肥大率、球根増殖率は標準品種「ブラックアイドビューティー」より劣るが、子球を利用することで球根数を増やすことが可能である。(5)栽培上の留意点として、球根を再利用するためには、球根消毒等の軟腐病対策を徹底する必要がある。

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