普通ソバ種子への過酸化カルシウム被覆による湿害軽減効果と機械播種適性

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タイトル別名
  • Effects of calcium peroxide coating on moisture damage and suitability for mechanical sowing of common buckwheat
  • 普通ソバ種子への過酸化カルシウム被覆による湿害軽減効果と機械播種適正
  • フツウ ソバ シュシ エ ノ カサンカ カルシウム ヒフク ニ ヨル シツガイ ケイゲン コウカ ト キカイ ハシュ テキセイ

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抄録

普通ソバ種子に過酸化カルシウム剤を粉衣し,過湿条件下での出芽に及ぼす影響と粉衣した種子の機械播種適性を調査した。過酸化カルシウム剤の被覆量は玄ソバの種子重に対して0.5,1,1.5,2倍量とし,播種日から1~5日間の湛水処理を行う試験と,湛水開始を播種直後と播種1~4日後としそれぞれ24時間の湛水処理を行う試験を実施した。ソバ種子重に対して1.5倍,2倍量被覆では,無被覆よりも出芽率が高くなり,特に4,5日間湛水における出芽率は無被覆の2倍以上となった。また,1.5倍,2倍量被覆では過湿条件下においても出芽することが明らかとなり,出芽遅延による減収を抑制できる可能性が考えられた。一方で,0.5倍被覆は無被覆と比較して有意に出芽率が低下した。4種類の播種用機械での播種を想定し機械から種子を落下させたところ,どの機械でも2倍量被覆が過酸化カルシウム剤の剥離が最も少なかった。したがって,ソバ種子に過酸化カルシウム剤を用いる場合は,2倍量被覆での利用が最も実用的であると考えられた。

収録刊行物

  • 農作業研究

    農作業研究 56 (3), 171-177, 2021-09

    東京 : 日本農作業学会

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