日本における社会福祉運動の展開とその特質

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Social Welfare Movement and Its Characteristics in Japan.
  • ニホン ニ オケル シャカイ フクシ ウンドウ ノ テンカイ ト ソノ トクシツ

この論文をさがす

抄録

本稿は,日本の社会福祉運動の展開過程を,今日の社会福祉の課題をふまえて通史的に概観したものであり,国際シンポジウム報告(2018 年)を加筆修正したものである.まず社会福祉運動の概念と範囲および戦後 1970 年代にかけての研究動向にふれ,社会運動との関係や社会福祉運動の捉え方を簡単に述べた.その上で,明治初期の「慈善運動」から,産業革命期からの慈善事業と人権・福祉に関連する運動,第一次世界大戦後の社会事業の運動的展開を取り上げ,1930 年代の運動の進展から,太平洋戦争期にかけて総動員体制下で抑圧とともに運動が変化し,人的資源や戦争遂行の視点に立つ翼賛的運動が中心となったことを論じた.戦後は,社会福祉運動は民主主義と人権の条件を得て各分野で本格的に生成・展開するが,敗戦から被占領期,1950 年代,60 年代から70 年代へ,70 年代半ばから 90 年代,2000 年代以降に分けて整理した.結論として日本の社会福祉運動の歴史的特質について重要な点を整理し,今日の動向と関連して社会福祉運動の新たな発展の必要と研究課題を述べた.

収録刊行物

  • 日本福祉大学社会福祉論集

    日本福祉大学社会福祉論集 (148), 19-46, 2023-03-31

    日本福祉大学社会福祉学部, 日本福祉大学福祉社会開発研究所

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ