History of the Word Onsei

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  • 「音声」の語史
  • 「 オンセイ 」 ノ ゴシ

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Abstract

「音声」という語の語史について,文献資料(データベースやコーパスを利用)をもとに探った。その結果,次のことがわかった。(A)現代日本語の「音声」は,《技術的に扱う音》を表すことが多い。(B)「音声」には,奈良時代から,《(人の)声》や《楽器の音》を表す用法があった。(C)「音声」は,少なくとも平安時代以降,「おんじやう」と読まれたが,江戸時代に「おんせい」という読みが生まれ,明治以降,「おんせい」が一般的になった。(D)「音声」は,明治以降,《言語音》,とくに《単位音》を表すのに使われることが多くなった。(E)《言語音》を表す用語には,明治期に,「音韻」,「音声」,「声音」などがあったが,昭和初期以降,音韻論における音概念には主に「音韻」が,音声学における音概念には主に「音声」が使われるようになった。

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