複数を表す接尾辞「たち」の誤用分類の試み : 日本語学習者の作文にみる複数形の誤用系統

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タイトル別名
  • Classifying Errors of the Plural Suffix Tachi : Plural Form Errors in Writings of Japanese Language Learners
  • フクスウ オ アラワス セツビジ 「 タチ 」 ノ ゴヨウ ブンルイ ノ ココロミ : ニホンゴ ガクシュウシャ ノ サクブン ニ ミル フクスウケイ ノ ゴヨウ ケイトウ

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抄録

名詞の単数形と複数形に文法上の対立がないため,日本語学習者が日本語を産出する際,名詞の単・複対立の誤用が起こることは少ないと考えられている。しかし,日本語に文法範疇としての「数Number」がないことが,日本語の複数表示規則を曖昧にし,学習者に誤用を産出させているとの指摘もある。本稿では複数を表す接尾辞「たち」の使用について,国立国語研究所の「作文対訳データベース」と東京外国語大学の「国際日本語学習者作文コーパス及び誤用辞典」を中心に誤用を収集し,6 つに分類した。その結果,「たち」の非用では,同一の指示対象に単複のずれが生じ,文章の結束性が保てないという弊害が起きていた。また,「家族」や「友達」といった語彙に「たち」を付加すると,その性質から不自然な使用になる可能性が高いことが示唆された。さらに,学習者には「たち」以外に「~ら(彼ら)」や敬意を含む「~がた(方)」の指導が必要であることがわかった。

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