小学校英語における学習意欲と授業内動機づけとの関わりの調査―3年間にわたる縦断的研究―

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  • An investigation into Relationships between Learning Motivation and Classroom Motivation in Elementary School English: A 3-year Longitudinal Study

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本研究は、小学校3年生から5年生までの3年間に渡り、同一児童による英語学習の意欲と動機づけとの関わりを扱っている。3年生から始まる外国語活動(領域)から5年生での外国語(教科)へ移るまでの児童の学習意欲の変化を継続的して調査することで、同一児童における小学校英語に対する学習意欲の経年変化を縦断的に捉えることが可能となる。本稿では、100名弱の小学生に質問紙調査を実施し、英語学習の動機づけに関する29の項目から5要因(「学習意欲」「有能感」「友だちとのやり取り」「授業内指示」「英語指導力」)を抽出し、分析を行った。この結果、以下の点が明らかになった。(1)t検定から、3年生から4年生で「有能感」と「教室内動機づけ」(「授業内指示」「英語指導力」) が有意に高くなるのに対し、4年生から5年生ではすべての要因が有意に低くなった。(2)重回帰分析から、3年間を通じて「学習意欲」に影響を及ぼす要因は「有能感」であり、4年生・5年生の両学年で「やり取り」であることが明らかになった一方で、4年生の「学習意欲」には前年度の「学習意欲」も影響を及ぼすが、5年生では前年度の「学習意欲」は影響しないことも判明した。以上から、小学校英語においては「有能感」を感じられる授業展開を継続することが求められることと、教師と児童、児童と児童による意味のある「やり取り」を教室内で実践することが学習意欲の促進につながることが示唆される。

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