コロナ禍における「他者と共にいること」

IR

Abstract

type:Article

奈良女子大学心理臨床研究 第10号 第1部 研究論文

ヒトは不安や恐怖など危険を感じたときは愛着対象にくっつくこと(アタッチメント)によって安心・安全を感じる。しかし,コロナ禍では人との接触・接近が危険を伴うことであり,距離を取ることで身を守ることになった。そこで,本論では,非接触・非対面の安全な設定のオンライン面接の体験を取り上げ,視線でのやりとりの限界と言葉によるやりとりの増強に着目し検討した。視線のやりとりは,まなざしとして他者からの志向性を感じ,応答することであり,他者と共に自己が意識化されることから,他者と共にいられる関係性のアセスメントという視点が,言葉でのやりとりは,共同注視が生じる関係性を安定させるために,意味のやりとりによる情報伝達ではなく,身体感覚や情緒的体験と結びついた音声の共鳴的なやりとりが重要であることが示された。

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