思春期世代の自己肯定感・孤独感と他者とのつながり:内閣府「子供・若者総合調査」の実施に向けた調査研究(令和3年度)より

抄録

type:Article

奈良女子大学心理臨床研究 第10号 第1部 研究論文

本研究は,内閣府により,子供・若者の意識及び行動に関する総合的な調査研究(「子供・若者総合調査」)を実施するための予備調査として行われたものの一部である。対象は,層化二段無作為抽出法による10 ~ 15歳の男女,3,600人。2022年2月に郵送とオンライン回答の併用で実施された。その結果,家族や学校・地域社会にしっかりと絆を築けている子どもたちは,自己肯定感や孤独感も比較的高いが,ネット空間に頼りがちな子どもたちは,現実の他者との関係が結びにくく,孤独感の強さや自己肯定感の低さという点で特徴が見られた。さらに,年齢とともに,家族(家庭)や友人(学校)より,自分の部屋やネット上という“個になれる空欄"を居場所とする割合が増えるが,家族や友人,地域という身近な人との関係からの離脱は,自己肯定感の低下や強い孤独感にもつながり得ることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050858829285862400
  • Web Site
    http://hdl.handle.net/10935/5911
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB

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