NC工作機械に関する考察 (3) : ファナックのビジネスモデルと工作機械メーカー

書誌事項

タイトル別名
  • NC コウサク キカイ ニ カンスル コウサツ (3) : ファナック ノ ビジネス モデル ト コウサク キカイ メーカー
  • NC kōsaku kikai ni kansuru kōsatsu (3) : Fanakku no bijinesu moderu to kōsaku kikai mēkā
  • A study on numerically controlled machine tools (3) : FANUC's business model and machine tool manufacturers

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説明

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工作機械産業の国際競争力に関わる研究の多くでは,NC装置専業メーカー・ファナックが開発した相対的に低価格なNC装置を利用しえたからこそ,日本の工作機械産業は廉価なNC旋盤やマシニングセンターの製品化に成功したという評価が示されている。その一方で,他社と同じ標準型NC装置を製品に搭載するということが工作機械メーカーの経営にどのような影響を与えていたのかという問題については,等閑視される傾向にあった。本稿は,1980年代初頭に至るまでの時期のファナックと工作機械メーカーの関係に光を当てて,この問題に対する考察を試みたものである。本稿での考察から,日本の工作機械産業の発展に果たしたファナックの役割は言うまでもなく大きいものであるが,80年代初頭独自の付加価値を創出するために敢えてファナックへの依存を断ち切り,NC装置の自社開発に踏み切った有力工作機械メーカーの存在もまた,同産業の新たな発展軌道を創り出す上で重要な役割を担っていたことが明らかにされる。

論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 65 (4), 41-62, 2022-10

    慶應義塾大学出版会

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