セグメント会計としての本支店会計

書誌事項

タイトル別名
  • セグメント カイケイ トシテノ ホンシテン カイケイ
  • Segumento kaikei toshiteno honshiten kaikei
  • Branch accounting as segment management accounting

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説明

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本支店会計は,社内組織である本店と支店を独立採算的なプロフィットセンターとして会計上位置づけ,それぞれの損益計算書と貸借対照表を作成する。このような本支店会計は,管理会計のセグメント会計を,商業簿記の手法により財務会計として実施していることになる。本社費を支店に負担させる仕訳は,全社の財務諸表を作成するためには必要がなく,管理会計目的の仕訳である。セグメント会計(管理会計)では,本社費は事業部に配賦されるが,本支店会計では本店もセグメントとして設定されるという違いがある。また,セグメント会計(管理会計)では,原則的にセグメントの貸借対照表を作成しないが,本支店会計では支店で本店勘定を設定することで,拠点ごとに貸借対照表を作成することを可能にする。セグメント会計(管理会計)で貸借対照表を作成する場合もあるが,そこでの計算構造は本支店会計の貸借対照表とは異なっている。このように,本支店会計はセグメント会計ではあるものの,商業簿記を通じて財務会計として実施されるため,相違点も多く存在するが,財務会計として管理会計を実施するという意味で,財管一致を実現する手法といえる。

髙久隆太教授退任記念号 論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 65 (5), 111-117, 2022-12

    慶應義塾大学出版会

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