クロアチアと近隣諸国の学校教科書における戦争記念碑

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タイトル別名
  • クロアチア ト キンリン ショコク ノ ガッコウ キョウカショ ニ オケル センソウ キネンヒ
  • War Memorials in the School Textbooks of Croatia and Its Neighboring Countries

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説明

クロアチアの事例を中心に、旧ユーゴスラヴィア諸国の社会主義期の教科書・教材と現在の教科書・教材において「人民解放闘争」と呼ばれた第二次世界大戦に関連する記念碑や関連施設がどのように取り上げられているのかを比較・分析し、学校教育における戦争記念碑の位置づけの変化とその意義について考察した。社会主義期の教科書・教材では共産党政権の成り立ちと直結する「人民解放闘争」に関連する記念碑や関連施設が数多く取り上げられていたのに対して、現在の教科書・教材ではヤセノヴァツ強制収容所跡に建てられた慰霊碑「石の花」を除けばほとんど取り上げられず,とくにクロアチアでは1990年代の独立戦争、いわゆる「祖国戦争」に関連する記念碑や関連施設が重視されていることが明らかになった。また、2019年に導入されたクロアチアの新たなカリキュラムでは、歴史教科書に「記憶の文化」に関する解説が盛り込まれ、戦争記念碑についても、単なる図版として提示されるだけでなく、より体系的にその来歴や意義を学ぶこ とが試みられていることを指摘した。

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