英語教育における評価のイノベーション <報告・資料>

機関リポジトリ オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Innovations in the Testing of English Language Competence <Reports and Data>

この論文をさがす

抄録

本稿では, 関連諸学問を念頭に置きながら英語学力の評価のイノベーションを通覧し, まず2つの流れとしての世代を考察する。第1世代は, 学習者の言語知識の測定にあたってのイノベーションである。これは, 学習事項が限定されるlocal evaluationとランダムで全体的な評価を行うglobal evaluationとに分けられる。前者では, 言語学の深層構造の概念, 後者ではクローズテストなどがイノベーションをもたらした。第2世代は, 心理言語学からの知見が端緒である。学習事項の情報処理速度が評価の対象であり, 既知のことばの使える度合いを測定しようとしている。その発想自体, イノベーションと呼べる。第1世代と第2世代のつながりは, 言語知識と言語運用という大きな理論的問題を内包している。第3世代は, 神経言語学に関わるが, まだ始まっていない。事象関連電位をはじめ, 多くの手法が開発されつつあり, 英語教育学もそれらを早急に導入すべきである。以上の考察は, 言語を扱う関連諸学問に依拠しており, 英語教育学のいわば縦糸であった。横糸としては, 教科教育学がある。そこにどのような共通性と相違性があるか, これからの研究課題である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ