当院の下肢切断術に対する麻酔法の現況

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抄録

下肢切断術は重症下肢虚血や壊死に対して実施される.糖尿病などの基礎疾患や高齢化などにより末梢動脈疾患(peripheral arterial disease:以下 PAD)は増加傾向であり,切断術も実施件数が増えている.下肢切断術の麻酔法には,大きく分けて全身麻酔,区域麻酔(腰椎麻酔,硬膜外麻酔,末梢神経ブロック)あるいはその両方のいずれも選択されるが,どの方法がよいかの見解は得られていない.そこで,当院で過去に実施された下肢切断術の麻酔法について後方視的に検討した.症例は2015年4月から2019年3月までに下肢切断術を実施した 46 例.全例に全身麻酔が実施されており,16 例に末梢神経ブロックが併用された. 43 例が生存退院し,3 例が入院中に死亡した.全身麻酔群と区域麻酔併用群を比較すると,区域麻酔併用群の大腿切断において鎮痛補助薬の使用が少ない傾向がみられたが,観察期間中の麻酔法による予後や合併症の差は認められなかった.

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